前回(2026年9月2日)、当サイトはjGrantsは動かないのではなく、月替わりに塊で載ると書きました。8月31日と9月1日の2日間で50件が一気に登録されたためです。

予測を書いた以上、答え合わせをします。

結果①:予測は当たった。塊のあと、6日間で9件だった

jGrantsから新しく収集した件数を、日ごとに並べます。前回の記事を公開した9月2日を挟んでいます。

塊は3日で終わり、そのあとは細い流れに戻った

当サイトがjGrantsから新規収集した件数(2026年8月28日〜9月8日)

8月28日〜30日 3日で8件

1日あたり2〜4件。これが平常時

8月31日〜9月2日 3日で66件

25 / 25 / 16件。月替わりの塊

9月3日〜8日 6日で9件

3 / 3 / 0 / 1 / 1 / 1件。細い流れに戻った

出典: 「ひとり社長の補助金」調べ(jGrants APIからの日次全件収集の記録)

塊の3日間は1日22件、そのあとの6日間は1日1.5件。15倍の差です。

前回の「平常時はほとんど動かず、月替わりに塊で動く」という見立ては、次の1週間で否定されませんでした。月次のスナップショットを取る調査は、測る日が月末月初かどうかで結論が変わる——この点は引き続き有効です。

訂正:塊は「2日で50件」ではなく「3日で66件」でした

前回の記事は、塊を「8月31日〜9月1日の2日間で50件」と書きました。これは塊の最終日を数え落としています。

記事を公開した9月2日にも、さらに16件が登録されていました。記事はその日の収集が終わる前に書かれたためです。塊の正しい姿は8月31日〜9月2日の3日間で66件です。

前回の結論そのものは変わりません(塊は実在し、そのあと細くなった)。ただし「最新の1日」を含めて集計した数字は、翌日には変わりうる——これは前回の記事の書き方の問題で、今回から集計の締めを1日手前に置いています。

結果②:前回「初めて下がった」と書いた比率は、下がっていなかった

前回、無条件でひとり社長OKと判定できた制度の比率が、5回上がり続けたあと初めて下がった(8.1% → 7.9%)と書き、「傾向が反転したかは次回まで分からない」と留保しました。

答えは反転していなかったです。

5.0% → 5.3% → 5.6% → 6.6% → 8.1% → 7.9% → 8.3%
                                      ↑前回   ↑今回

前回の低下は、9月1日に載った経産省のエネルギー系・委託公募型がまとめて条件つき/対象外に入ったことによる一時的なものでした。1回の変化で傾向を読むと外れます。

結果③:全国から無条件で出せる制度は、4回連続で1件

判定の全体像です。520制度のうち、無条件でひとり社長OKと確認できたのは43件(8.3%)、条件つきが398件(76.5%)、対象外が79件(15.2%)。条件つきのうち補助上限1億円以上の大型が54件、調査・委託の公募が8件です。これらを除いた「現実的にひとり社長向き」は383件(73.7%)、地域限定は417件(80.2%)でした。

無条件OKの43件を収集経路で割ります。

収集経路 OK件数 うち地域限定
自治体サイト直接 33件(76.7%) 33件
jGrants経由 10件(23.3%) 9件

43件中42件(97.7%)が地域限定です。裏返すと、全国どこからでも無条件で出せる制度は1件。

母数が334件だった第4回、393件の第5回、480件の第6回、そして520件の今回——4回連続で同じ1件です。母数が1.6倍になっても増えませんでした。この数字だけが動きません。

なお地域限定の比率は今回初めて80%を超えました(78.8% → 80.2%)。

結果④:今回のレポートを発火させたのは「同数の並び替え」でした

当サイトは、数字が動いたときにこのレポートを出しています。今回の発火条件は目的カテゴリの上位3位が入れ替わったことでした。中身はこうです。

順位 前回(9月2日) 今回(9月9日)
1位 設備整備・IT導入 115件 設備整備・IT導入 120件
2位 新たな事業 75件 エコ・SDGs 74件
3位 エコ・SDGs 73件 新たな事業 74件

2位と3位は同数(74件対74件)です。 順位が入れ替わって見えるのは、同じ数字を並べたときの表示順の違いでしかありません。

これを「エコ・SDGs系が伸びた」と読むのは誤りです。 順位の変動は、差が小さいほど簡単に起こります。ランキング形式のデータを見るときは、順位ではなく件数の差を見てください。1件差の逆転には意味がありません。

実際に動いたのは、上位3位ではなく4位以下でした。まちづくり・地域振興が48件で新たに4位に入り、研究開発・実証事業(52件→46件)が5位に下がっています。自治体の制度が1週間で39件増えたことが、そのまま出ています。

結果⑤:国のポータルを見終えても残る割合が、また増えた

収集経路の内訳です。

経路 件数 前回比
自治体サイト直接(J-Net21起点+東京都中小企業振興公社) 340件 +38
jGrants経由 172件 +2
国の独自ポータル 8件 ±0

この1週間の増加40件は、ほぼ全部が自治体側です。 結果、jGrants経由の割合は35.4% → 33.1% に下がり、国の公式ポータルを見終えても残る割合は64.6% → 66.9% に上がりました。

補助上限の中央値も、経路によって桁が違います。

経路 中央値 件数
jGrants経由 1,000万円 142件
国の独自ポータル 350万円 8件
東京都中小企業振興公社 500万円 11件
自治体サイト直接 100万円 241件

金額の大きい制度ほど国のポータルにあり、身の丈に合う制度ほど自治体側にあります。 ひとり社長にとって現実的なのは後者ですが、そちらは国のポータルには載りません。

結果⑥:掲載できていない分(前回からの持ち越し)

自分の側の失敗も、前回に続いて出します。

8月31日〜9月2日の塊66件のうち、当サイトが掲載できているのは17件、できていないのが49件(74%)です。前回の時点(50件中38件=76%)から、率はほとんど変わっていません。

未掲載の最大の塊は、業務改善助成金の47件のうち44件です。これは全国1本の交付要綱を47都道府県のレコードが参照する構造で、制度名や回次と一次文書が一致しません。当サイトは「一次文書(公募要領)を読めないものは公開しない」という原則で運用しているため、機械的な再試行では通らないことが分かっています。

サイト全体では、募集中なのに掲載できていない制度が151件あります。これは制度が存在しないという意味ではありません。

この結果から言える、探し方の修正点

過去6回の結論に、今回の検証結果を足します。

  1. 月末・月初に見る。(今回検証済み)平常時のjGrantsは1日1〜2件しか増えません。新しい公募は月替わりに塊で載ります
  2. ランキングは順位でなく件数の差を見る。 1件差の逆転は毎週起こります
  3. 1回の変化で傾向を読まない。 「初めて下がった」は次の週に戻りました
  4. 国の公式ポータルを見終えても、3分の2は残っている(今回66.9%)。しかも自治体側のほうが金額は小さく、ひとり社長には現実的です
  5. 有名な制度は制度名で公式サイトを直接引く。 持続化補助金・デジタル化AI導入補助金などは独自ポータル完結です(国の主要補助金14制度に一次ソースをまとめました)
  6. 無条件で出せるものを探すなら、まず自分の都道府県(例:東京都/大阪府/福岡県)。43件中42件がそこにあります

調査の概要

  • 時点: 2026年9月9日(前回は2026年9月2日、前々回は2026年8月19日)
  • 母数: 当サイトが収集・判定し公開している募集中の補助金・助成金520件。日本のすべての補助金を網羅するものではありません
  • 収集経路の内訳: jGrants経由172件/自治体サイト直接340件(J-Net21起点329件+東京都中小企業振興公社11件)/国の独自ポータル8件
  • 日別件数の定義: 当サイトがjGrants APIから新規に収集したレコード数です。jGrants側の公開日そのものではありません(当サイトの収集は日次のため最大1日ずれます)。集計の締めは前日までとし、当日分は含めていません(前回、当日分を含めて数え、翌日に数字が変わりました)
  • 「掲載できていない151件」: subsidiesテーブルには存在するが、公募要領を特定・検証できないため公開していないもの。制度が存在しないという意味ではありません
  • 補助上限の中央値: 上限額が公表されている制度のみで算出(jGrants経由142件/自治体サイト直接241件/東京都中小企業振興公社11件/国の独自ポータル8件)
  • 判定方法: AIによる公募要領の読解+機械照合+敵対的な二重判定+人間による監査・裁定。「ひとり社長OK」は制度上・無条件で申請可能と確認できたもののみ
  • 再現性: 集計は判定データベースからの機械集計です(手作業の分類はありません)

※本レポートは時点スナップショットです。制度は毎日入れ替わるため、最新の件数・一覧はトップページで毎日自動更新されています。

本調査の引用について

本レポートの数値・グラフは、出典(「ひとり社長の補助金」調べ・本ページへのリンク)を明記のうえ、自由に引用いただけます。メディア・支援機関の方の問い合わせはお問い合わせからどうぞ。

本レポートの更新は日付ではなく、数字が動いたときに行っています。今回は前回(9月2日)から目的カテゴリ上位3位の入れ替わりを検知して公開しました(発火基準: 母数±15%・地域限定±5pt・無条件OK±1.0pt・カテゴリ上位3位の入替)。ただし結果④のとおり、その入れ替わりは同数の並び替えでした。発火基準そのものに、この点の見直し余地があります。