#6で法人口座ができたら、セットで作っておきたいのが法人カード(ビジネスカード)です。「個人のカードで払って後で精算すればいい」と思うかもしれませんが、それはひとり経理の泥沼の入口です。

個人カード払いを続ける3つの問題

  1. 経理が濁る: 個人カードの明細に私費と経費が混在し、毎月「これは経費、これは私費」の仕分け作業が発生。#5で触れた「法人と個人のお金の混在」そのもの
  2. 会計ソフトの自動化が効かない: 法人カードなら明細が会計ソフトに自動で流れ、記帳がほぼ消えます。個人カードだとこの動線が使えない
  3. 立替精算という無駄な仕事: 自分が自分に経費精算する事務が毎月発生します

1枚目は「年会費無料」から

法人カードはピンからキリまでありますが、1枚目は年会費無料で十分です。理由は単純で、ひとり社長の初期は利用額が少なく、有料カードの特典(空港ラウンジ・保険)の元が取れないから。事業が育って出張や広告費が増えたら、そのとき上位カードに切り替えれば済みます。

年会費無料の法人・事業用カードでは、例えばFASIOビジネスカード(年会費永年無料・ポイント還元あり・スピード発行)が1枚目として検討しやすい選択肢です。

PR年会費ゼロで1枚目を持つ

FASIOビジネスカード

年会費永年無料の法人・事業用カード。審査基準・条件は提供元でご確認ください。

新設法人でも作れるのか

作れます。ただし法人に実績がない分、審査では代表者個人の信用情報が重視されます。過去に支払い遅延などがなければ、設立直後でも発行されるのが一般的です。逆に言うと、個人の信用情報に不安がある場合はそちらが効きます。

  • 引き落とし口座は法人口座を指定するのが基本(→ #6で作った口座がここで活きる)
  • 限度額は最初は控えめに設定されがち。利用実績で上がっていきます

審査が不安なら「デビット」という手も

どうしても審査が通らない、あるいは通るか分からないうちに支払い手段だけ先に用意したい場合は、ビジネスデビットカードという選択肢があります。デビットは口座残高の範囲で使う仕組みなので与信審査が基本的になく、法人口座さえあれば持てます。経費を個人カードから切り離すという目的だけなら、これで足ります。

ただしクレジットカードの上位互換ではありません。デビットは決済と同時に口座から引き落とされるため、次の節で書く「引き落としまでの猶予が補助金の立替を楽にする」という利点がそのまま消えます。補助金の立替対策としてはクレカが本命で、デビットは「クレカが持てないとき」「経費の分離だけ今すぐしたいとき」の代替と考えてください。

PR審査の壁を回避して経費を分ける

GMOあおぞらネット銀行 ビジネスデビット

利用には同行の法人口座が必要です(口座開設と同時に申し込めます)。キャッシュバック率・利用上限などの条件は提供元でご確認ください。

補助金の観点 — 「後払い」のつなぎ役

このシリーズで繰り返してきた通り、補助金は後払いです。事業費をいったん全額自分で支払い、数か月後に補助分が入金されます(入金までの流れ)。

法人カードで経費を払うと、実際の口座引き落としまで数十日の猶予が生まれます。この「支払いの先送り」は、採択から入金までの立替期間のキャッシュフローをかなり楽にします。しかも明細がそのまま実績報告の記録に整合します(支払い証憑は領収書・利用明細で揃える。制度によってはカード払いの扱いに条件があるので公募要領で確認を)。

まとめ

  • 個人カード払いは経理の泥沼。設立フローの中で法人カードまで作るのが正解
  • 1枚目は年会費無料で十分。育ってから上位カードへ
  • 審査は代表者個人の信用が中心。新設法人でも通る
  • 後払いの補助金×後払いのカードは相性が良い(引き落とし猶予が立替を楽にする)
  • 本文で挙げたFASIOビジネスカード(PR)は、この「年会費無料の1枚目」の条件を満たす例

本記事は一般的な情報提供です。カードの審査基準・年会費・特典は変更されることがあります。必ず各社の公式情報をご確認ください。