#2 会社設立の流れのステップ2で出てきた「印鑑の用意」。会社の印鑑は種類がいくつかあり、初めてだと「全部必要なの?」と迷います。結論はシンプルで、実務では「実印・銀行印・角印」の3本セットが定番です。それぞれの役割から整理します。
会社の印鑑は4種類
| 種類 | 役割 | 必要度 |
|---|---|---|
| 会社実印(代表者印) | 法務局に届け出る会社の「実印」。重要契約・登記手続きで使用 | 実質必須 |
| 銀行印 | 法人口座の届出印 | ほぼ必須(実印と分けるのが定石) |
| 角印(社印) | 請求書・見積書・領収書に押す認印 | あると便利 |
| ゴム印(住所印) | 社名・住所・代表者名のスタンプ。書類記入の手間削減 | 任意 |
会社実印 — サイズに規定がある
法務局に届け出る会社実印には規格があります:辺の長さが1cmを超え、3cm以内の正方形に収まるもの(商業登記規則)。一般的には直径18mm前後の丸印で、外側の円に社名、内側に「代表取締役印」と彫る二重円のスタイルが定番です。
なお2021年の制度改正で、オンラインで登記申請する場合は印鑑の届出が任意になりました。ただし——
- 書面で登記申請するなら印鑑届は従来どおり必要
- 届出しなくても、銀行・重要な契約・許認可などの実務で会社実印と印鑑証明書を求められる場面は依然として多い
ので、現実的には設立時に作って届け出ておくのが無難です。
銀行印 — 実印と分けるのが定石
法人口座(→ #6で詳述)の届出印です。実印と兼用も制度上は可能ですが、分けるのが定石。実印を日常の銀行手続きに使い回すと、紛失・盗難時のリスクと再手続きの負担が大きくなります。銀行印は一回り小さいサイズ(16.5mm前後)で作るのが慣例です。
角印 — 請求書まわりの「会社の認印」
四角い印で、請求書・見積書・領収書に社名の証として押します。法的な義務はなく、電子請求書の普及で出番は減っていますが、紙の請求書を求める取引先はまだ存在するため、1本あると安心です。
いつ・どう作る?
- タイミング: 登記申請の前(#2のステップ2)。商号が確定したら発注できます。納期は通常数日〜、即日出荷対応の通販もあるので、スケジュールが詰まっていても間に合わせやすい
- 買い方: 3本セットで注文すると単品より割安なことが多く、彫り直しの手間もありません
- 素材: 柘(つげ)などの木材系は手頃、黒水牛・チタンは耐久性重視。ひとり社長の実用なら手頃な素材の3本セットで十分です
会社印鑑の専門通販なら、法人印の規格に沿ったセットをそのまま注文できます。
注意点
- シャチハタ(浸透印)は実印・銀行印に使えません
- 個人の実印と会社の実印は別物です。混同しないよう保管場所も分けましょう
- 印鑑証明書(印鑑カード)は登記完了後に取得します(→ #2のステップ6)
まとめ
- 定番は実印・銀行印・角印の3本セット。ゴム印は任意
- 会社実印は1cm超3cm以内の規格。オンライン申請では届出任意になったが、実務上は作って届け出るのが無難
- 発注は商号確定後すぐ。即日出荷の通販なら設立スケジュールに余裕がなくても間に合う
本記事は一般的な情報提供です。印鑑届出・登記の手続きは変更されることがあります。必ず一次情報(法務局)をご確認ください。