「中小企業向け」「小規模事業者向け」と書かれた補助金を見つけて公募要領を読み進めたら、最後のページで自分が対象外だと分かった——ひとり社長なら一度は経験があるはずです。
当サイトは、jGrants等で公開される補助金の公募要領をAIで解析し、人間の確認を挟んで「従業員0人の法人・個人事業主が申請できるか」を1件ずつ判定しています。その過程で見えてきた、「中小企業向けなのにひとり社長は出せない」典型パターンが5つあります。
理由1: 公募の相手が「事業者」ではなく「執行団体」
公募一覧には普通の補助金と同じ顔をして並んでいるのに、よく読むと「本事業を運営する事務局(執行団体)の公募」というパターンです。応募できるのは補助事業を運営する側の団体であって、補助金を受け取りたい事業者ではありません。
紛らわしいのは「間接補助」という仕組みで、執行団体の公募文書の中に「中小企業に補助します」と書かれていること。当サイトでは執行団体・事務局そのものの公募は掲載から除外しています。
理由2: 従業員がいることが前提の要件
雇用関係の助成金や賃上げ系の補助金に多いパターンです。要件に「雇用保険適用事業所であること」「従業員の賃金を引き上げること」などが含まれていると、従業員0人のひとり社長は要件そのものを満たせません。
「中小企業なら誰でも」と見えて、実際は「従業員のいる中小企業なら」だった、というケースです。
理由3: 組合・団体・複数社連携しか出せない
対象者の欄に「事業協同組合」「商工会」「複数の中小企業により構成されるコンソーシアム」とあるパターン。単独の会社1社では応募できません。地域振興系・業界団体系の補助金に多く見られます。
理由4: 「常時使用する従業員○名以上」や体制要件
小規模事業者の定義(従業員5人以下など)はクリアしていても、個別の公募要領に「従業員○名以上」「専任の担当者を配置できること」「経理責任者を置くこと」といった体制要件が埋まっていることがあります。ひとりで全部やっている会社には、この「体制」の壁が意外と厚い。
理由5: 定義上はOKでも、実務要件で実質むずかしい
「中小企業基本法上の中小企業」には間違いなく該当するのに、過去の実績・売上規模・特定の認定取得などが前提になっていて、創業間もないマイクロ法人には実質的にハードルが高いパターンです。
当サイトではこうした制度を「出せない」と断定はせず、「条件つき(conditional)」として理由の注記付きで掲載しています。制度上申請できる可能性が残る以上、隠さないのが方針です。
ひとり社長が公募要領で最初に見るべき場所
- 「補助対象者」の欄 — 「中小企業」の文字だけでなく、従業員数・組合要件・雇用要件まで読む
- 「事業スキーム」の図 — 執行団体公募かどうかは、お金の流れの図を見ると一発で分かります
- 加点項目・体制要件 — 本文の後半や別表に埋まっていることが多い
とはいえ、これを毎回すべての公募要領でやるのは大変です。当サイトはその読み込みを先に済ませ、ひとり社長が申請できる可能性のある制度だけを掲載しています。トップページの検索や3つの質問の診断から、あなたが出せる制度を探してみてください。
なお「では実際どれくらい出せないのか」は、募集中161制度を全数判定して数値化しました。無条件で申請できるのは5.0%でした(2026年7月時点・母数161制度。母数は毎日増えるので最新値はリンク先の最新回で確認してください) → 【調査】ひとり社長が「無条件で申請できる」補助金は5.0%だった
制度の全体像(攻め=補助金・守り=共済・備え=年金・つなぎ=融資)は、国の制度 全体マップで1枚に整理しています。
本記事は当サイトの掲載判定の運用に基づく一般的な解説です。個別の制度の対象要件は必ず各制度の公募要領・事務局等の一次情報をご確認ください。